虚構に生きる

高二中二小二のあの頃の気持ちに戻ろうというコンセプトなのです。

父の夢を見るようになった

季節の変わり目、寒暖差に億劫とした気持ちを抱きながら毎朝ふと思う。 父との思い出を振り返ることが多くなった。 キャンプの時に二人でバドミントンをした。小学生の時分ではとても勝てなかった。 海水浴で溺れかけたときに助けてくれたのは父だった。はぐ…

んふふって

んふふって、キミが笑うの。 何だか女の子みたいでお酒に酔った私には貴方がとても可愛く見える。 電気ブランを飲みながら明日はどこに行こうかって、目が覚めたときには忘れるくせに曖昧な約束をするんだ。 しらふでは絶対に言わないような言葉も、アルコー…

人を尊敬できるのは良いことだ

良いね、と先生は言った。唐突な言葉に聞き取れたのについ聞き返してしまった。 「なんですって?先生」 「いやだってキミは父親を尊敬しているんだろう」 ついさっきまでの話題は家族についての話であった。放課後の教室ですぐに家に帰るのも時間を持て余す…

夜のリズム

タン、タン、タン いや、もしかしたらパン、パン、パンかもしれない 一定のリズムが私の後方で鳴っている 肌と肌を打ち付けてなる音は、拍手以外といったらコレだろう 粘度の高い水が音を立てる ああ、この屈服感がたまらない。否応無しに求められるのはクセ…

今の私よりもあの頃の彼は大人だった

むかし付き合った男がいる。 思春期だった私にとっては二十と数年生きた彼はひどく大人に見えたのだ。 彼に何度か告白をしてやっとOKを貰った。 彼は何度もこう言った。 「自分は君が思っているような立派な大人じゃない。」 それでも好きなものは好きなの。…

ハグ

抱きしめられたい。壊れるぐらい抱きしめられたい。息ができないぐらい。肋骨が肺を押し込んで中の空気を出すぐらい。いっその事、腕や肋骨を折るぐらいに強く抱き締めて欲しい。 潰れるぐらい求められたい。そのぐらい強く求められたい。一緒になって混ざっ…

ポリエステルとお尻

早く脱がせて欲しい。 安物のポリエステルのパンツが少し肥えた尻に食い込んで痒い。 下着越しのこそばゆい愛部をするぐらいなら、その手をお尻まで回して肌を掻いて欲しい。 痒みをとるべく尻をベッドにおしつける私のささやかな抵抗は、どうやら男の劣情を…

もう少し乳首を吸わせてやればよかった。

三度の飯よりセックスが好きそうなこの男は、私の乳首を赤ん坊のように舐りながら、ねぇ気持ちいい、なんて気持ち悪い事を聞いてくる。 喘いでみたり、悶てみたり、はたまた流し目を使ってさも感じているていで男の欲情を誘う。愛してくれるから。そうすると…

聡と賢治のお下がり

聡と賢治のお下がりだ。 おさがり癖はいつものことだ。 兄が一度も着なかったお古。着古したお古。物心ついた時から他人のおこぼれを貰い続けてきた。 お昼ごはんのミルメーク付きの牛乳とか、キャンプの飯盒の残りとか、修学旅行のペアとか。 下の下で平々…

猫の交尾

にゃーにゃー猫が鳴いている。猫の交尾。 いや縄張り争いか。わからない。 喧嘩する雄猫達? 違う、たぶん、セイキを出し入れして、あえいで、いるのだ。 少し面白いのは、二匹が同時に、同じようなタイミングで唸るんだ。 にゃー、にゃーって。 猫のペニス…