虚構に生きる

高二中二小二のあの頃の気持ちに戻ろうというコンセプトなのです。

2018-01-01から1年間の記事一覧

父の夢を見るようになった

季節の変わり目、寒暖差に億劫とした気持ちを抱きながら毎朝ふと思う。 父との思い出を振り返ることが多くなった。 キャンプの時に二人でバドミントンをした。小学生の時分ではとても勝てなかった。 海水浴で溺れかけたときに助けてくれたのは父だった。はぐ…

んふふって

んふふって、キミが笑うの。 何だか女の子みたいでお酒に酔った私には貴方がとても可愛く見える。 電気ブランを飲みながら明日はどこに行こうかって、目が覚めたときには忘れるくせに曖昧な約束をするんだ。 しらふでは絶対に言わないような言葉も、アルコー…

人を尊敬できるのは良いことだ

良いね、と先生は言った。唐突な言葉に聞き取れたのについ聞き返してしまった。 「なんですって?先生」 「いやだってキミは父親を尊敬しているんだろう」 ついさっきまでの話題は家族についての話であった。放課後の教室ですぐに家に帰るのも時間を持て余す…

夜のリズム

タン、タン、タン いや、もしかしたらパン、パン、パンかもしれない 一定のリズムが私の後方で鳴っている 肌と肌を打ち付けてなる音は、拍手以外といったらコレだろう 粘度の高い水が音を立てる ああ、この屈服感がたまらない。否応無しに求められるのはクセ…

今の私よりもあの頃の彼は大人だった

むかし付き合った男がいる。 思春期だった私にとっては二十と数年生きた彼はひどく大人に見えたのだ。 彼に何度か告白をしてやっとOKを貰った。 彼は何度もこう言った。 「自分は君が思っているような立派な大人じゃない。」 それでも好きなものは好きなの。…